学校に通い、教育を受けるというのは、すべての子どもの基本的な権利ですが、ネパールでは経済的な理由で学校に通うことができず、教育を受ける機会に恵まれない子ども達が大勢います。義務教育である小学校でも、入学する子どもの割合は80%ほどですが、そのうちの多くは経済的な理由から退学を余儀なくされ、実際に卒業できるのは3分の1程度と言われています。少しでもそういう子ども達に教育の機会を与えて未来を広げる目的として、ネパール教育支援活動として2018年に奨学金制度を設立しました。
ネパール教育支援活動の実行委員のコイララ・アシュマ会員は米山学友としてロータリー米山記念奨学金制度の理念を受け継ぎ、インフラや施設といった箱ものを作るよりも人材育成・人づくりに力をいれたいと考えて本奨学金制度の導入を考えました。当クラブ会員や関係者のロータリアン方々のお力をお借りしてネパールの学生を支援する奨学金制度を以下の通り構築でき、小さな動きではありますが継続して活動をさせて頂いております。
「米山Eクラブネパール奨学金」概要
●奨学金対象者:
カトマンズ周辺の市立小学校に通う生活困難な家庭出身の子(障害者や女子優先)
地域をカトマンズ周辺にした理由は、カトマンズ周辺は交通アクセスが良くモニタリングしやすい事。カトマンズ周辺以外の地域では、教育に関わる課題が山積みで奨学金制度だけでは解決できない課題要素が多いため今回の小さい規模のプロジェクトでは支援しきれないと考えます。また一般的家庭の子女よりも上記の子ども達の方が学校に通う事が困難だと想定されるため、対象者を生活困難な家庭出身な子に限定しました。国立の小学校ではなく市立の小学校を対象にした理由は市立の学校の方が英語教育も含む質の良い教育を受けられる事と、子ども達により良い環境で教育受けて欲しいと希望します。
●年度対象人数: 2名〜5名(奨学金金額に準じて)
●奨学生選考方法:学校推薦、書類選考(成績表等確認)と面接による選考
2019年までは現地活動法人MITRA Samaj ミトラ サマージが全国数ヶ所の学校を対象に教育支援を行っている教育支援プロジェクトに共同参加をしておりましたが、2020年以降は現地小学校と直接連携をとり当クラブ独自の奨学金プロジェクトとして進めています。
(*MITRA Samajは 「2015−16年度 ロータリー財団地区補助金を利用してのネパール大地震子供救援プロジェクト」で共に活動した協力団体です)当クラブとしては学生を単年支援ではなく、ある程度成長を見届けられるよう長期支援を視野に活動を広げています。
2018-2020年度奨学金実績者数:8名(延べ人数)
(小学生女子3名、障がい者男子2名、男子3名)
●奨学金目安:
一人あたり年間で約6万円(およそ現地通貨6万ルピー)
内訳として現地授業料、学習に必要な文房具や備品購入、また学校関係の管理費として予定。
学校登録料(授業料):年間学費(目安 平均2,200ルピー1か月X12ヶ月 26,400ルピー
毎年年度初めに払う諸経費 6,000ルピー
制服代(靴下、靴、カバンを含む)10,000ルピー
教科書代、ノート、鉛筆など文房具 6,800ルピー
学期末・年度末試験 受験料、パソコンなど特別授業料等 5,000ルピー
管理費、その他(体操着や普段着等含む)10,000ルピー*費用は目安であり、必要最低限に交渉し、なるべく多くの子どもを対象にする予定
2021-2022年年度
新たな2名の女子小学生への奨学金
この2名を少なくても小学校卒業まで長期支援が継続できる形を整え、継続支援の対象人数を増やして行く予定です。
●将来の展望:毎年度の活動結果を踏まえて、徐々に奨学基金を増やして対象者を拡大できるよう希望します。ロータリー財団の地区補助金や、現地ロータリアンの協力を得て、グローバル補助金の申請チャレンジなど、賛同者、協力クラブを徐々に増やしていけたらと考えております。できれば単年で終了ではなく持続可能なプロジェクトとして展開できるよう充実した内容になるよう活動をしていきたいと考えております。
Comments