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ネパール大地震子供救援プロジェクト

更新日:2022年3月13日

2015年4月25日に発生したネパール大地震で被災した子供達が震災前の普通の生活に戻れ、教育を受けられる環境作りをサポートする事を目的とし、現地で復興支援をしているNPO団体(MITRA samaj)と連携して支援を実施。




1)ラスワ郡のラムチェ村のダングレ小学校の子ども達への支援

1回目の地震でも、2回目の地震でも最も被害が多かったラスワ郡のラムチェ村のある学校に支援を行いました。

学校名:(Grang Primary School)グラング小学校

生徒数:170名

(主にタマン族1が住むこの地域では生徒の全員はタマン族。

低学年の子ども達の大半はネパール語が話せませんでした。)

【支援物資】

  • 文房具(ノート、鉛筆、消しゴム、鉛筆削り、定規)全生徒分

  • 衣類

  • 学校で使えるトレーニング スーツ 120セット

  • 白靴下 全生徒分

  • 日本から持って行った ヒートテック 55着

  • 日本から持って行った子ども服 すべて(2箱分 役150着)


カトマンズの北、約120キロ離れたラスワ郡のラムチェ村の学校で子ども達への支援を実施しました。支援先はラスワ郡の南に位置するラムチェ村(Ramche VDC)にあるグラング小学校(Grang Primary School)の生徒(170名)とその家族の就学前の幼児達、合わせて約250名の子ども達への支援を行いました。ラスワ郡は広大なランタン国立公園を有する郡で、トレッキングに訪れる観光客も多くいます。一方で、首都カトマンズからの交通のアクセスが非常に悪く、今回の地震発生後は、土砂崩れのため道が閉鎖されており、なかなか支援物資が行きとどかない状況も発生していたそうです。

大地震が発生してから5ヶ月が過ぎても、支援が行き届いている場所とそうでない場所の差が激しく、今回の支援先のラムチェ村もあまり支援が入っていない村でした。

支援活動には現地の協力団体MITRA Samaj が一緒に活動しています。

地震発生後、グラング小学校に支援をする団体はMITRA Samajが初めてだったそうです。文房具や日常的に学校で使用するもの全てが不足していると伺いました。公立の学校ですので教科書は政府が提供してくれるそうですが、それ以外の文房具は不

足していたので、文房具や洋服等を提供しました。

右の写真のように、車に支援物資を積んで運転手さんとMITRA Samajのスタッフ1名と計3名で

グルング小学校へ向かいました。

朝の6時にカトマンズにあるMITRA Samajの事務所を出発し13時半頃グラング小学校に到着。

ラスワ郡の入り口にあるカリカスタンというバザールがある町から車で約1.5時間、村までの道のりは車道が整備されていないので、でこぼこの山道を車の天井に頭をぶ

つけながら進みました。



【支援当日の様子】

校長先生を始め、先生方、保護者の方々、生徒達みんなで歓迎をしてくれました。

山の奥にある為、天気が変わりやすく、雨が降るとすぐに寒くなるそうです。温かい洋服が不足している事からヒートテック55着(日本より持参)を小さい子ども達に提供しました。また、学年の大きい子ども達には、学校でも普段でも使用できる

トレーニングスーツを現地で購入して提供しました。支援当日もすぐに雨が降ってしまい、外で配るはずだった支援物資も中に移動して仮説教室の中で配りました。

子ども達とワークショップをする予定で色紙、クレヨン、アルファベット教材等持って行きましたが、大雨で実現出来なかったため、後日学校で使うように校長先生に渡しました。

子ども達はトタンで作った仮教室やテントの仮教室で縦割りの2クラスずつ一緒に勉強していました。地震の日は学校が休みで、幸い学校での怪我人はいなかったそうです。しかし、壊れて曲がった勉強机で勉強している子ども達の日常を想像するだけでも胸が痛みます。少しでも子ども達が“普通”に学校生活が送れるように勉強机の提供も考えました。家具屋にオーダして作ってもらい、MITRA Samaj のスタッフに学校へ届けてもらいました。



新しい勉強机をもらい子供達は大喜びだったようです。学校の校長先生を始め皆様が感謝の気持ちを述べたとのことです。下記の通りお礼状を頂きました。


2)障害を持っている子ども達への支援

カトマンズから20キロ離れているバネパにある病院に長期的に入院している子ども達への支援を実施しました。

Hospital and Rehabilitation Center for Disabled Children(HRDC)

(http://www.hrdcnepal.org/index.php)←病院ホームページ

この病院はネパールで障害を持っている子ども達が治療を受けられる数少ない病院の一つで、生まれ付き障害や何かの事故で障害を持った子ども達が全国各地から治療の為に訪れます。長期的な治療が必要な子ども達が多く入院しているこの病院では、平均で2ヶ月~3ヶ月間入院するケースが多く、ほとんどの子ども達は学校を中退しなければならないのが現実です。また、カトマンズから離れた山奥の村から何日もかけて治療に来ている子ども達もいて何ヶ月も家に帰る事ができず、学校にも通えない寂しい気持ちで毎日を過ごしています。

その為、この病院では子ども達がリフレッシュできる部屋と学校の勉強に遅れをとらぬよう教科書や教師を用意しているそうです。子ども達のカウンセラーとして10年前からこの病院で勤めているタラさんに話を伺いました。タラさんも事故により左足に障害を持っていて、子ども達に障害を持っていても普通に人生が送れるという夢と希望を与える存在になっていました。子どもたちは自由時間をタラさんと過ごしていました。


しかし、タラさんは「この病院は、子ども達に対する治療面でのサービスがいいが、心理的ケアのサポートが少ない」と訴えていました。子ども達は家や学校から遠く離れた病院での生活にストレスを感じています。勉強するためには、リラックスできる場所が欲しいのは当然です。タラさんが子ども達と遊んだり、悩みを聞いたり、一緒に過ごしたりする部屋はありますが教科書以外の文房具や自由に使える教材等が不足していると強く言っていました。又、机等も低い物がなく、障害を持っている小さい子には使いにくいとのことでした。

以前は生まれ付き障害を持っている子どもが治療に来るケースが多かったようですが、大地震後は地震で骨折して障害になった子どもも多いそうです。現在入院している約20名の子ども達に勉強や自由に遊ぶ時に使える以下の物資を提供しました。

【支援物資】

􀁸 ノート 350冊

􀁸 鉛筆 350本

􀁸 ボールペン 100本

􀁸 色紙 50パック

􀁸 絵本等(Story Books) 30冊

􀁸 野菜や果物のおもちゃ 各2セット

􀁸 プラスチック製の机と椅子のセット

プラスチック製の机と椅子のセット 果物や野菜のおもちゃセット

※机と椅子のセットと文房具や教材等は、現地で購入してタラさんや病院関係者に渡し、後日、子ども達と共有してもらいました。

子ども達の心理的なケアを目的にタラさんとドイツから来ているボランティア3名と一緒に子ども達とパズル等で遊んだりして3時間ぐらい過ごしました。普段あまり人と交流しない子も参加してくれました。パズルや制作等すごく楽しかったと喜んでくれました。少し控え目な子達とは床に座りながら話をしました。小さいながらも自分の将来のことや周りをちゃんと考えている子ども達の話を聞いて逆に衝撃を受けました。












3)カトマンズのジョルパティーにある裕福でない家庭の子どもが通う保育園/幼稚園への支援

                             

ネパールでは日本と違い、保育園や幼稚園を運営する補助金制度や国の認可保育園はありません。最近では、共働きの家庭も増え、個人が運営する私立の保育園や幼稚園がカトマンズ周辺では増えています。しかし、保育園や幼稚園にかかる費用は収入と関係なく一定の額を親が納めなければなりません。あまり裕福でない家庭で共働きする親は子どもを預ける事ができず、大変困っています。


そうした家庭の子供たちを救済する為、この保育園(ネパールでは保育園や幼稚園も学校と名付けることが多い)を開設したそうです。他の施設とは異なり、少額でサービスを提供していますが、費用が少なくとも子ども達に出来るだけ良い教育をしてあげたいという情熱が感じられまた。

子ども達が毎日使用する文房具や教材等でさえも親が用意できないという事から、子ども達が日常つかう文房具や教材等を提供しました。保育園は賃貸住宅で二階には大家が住んでいるとの事。

この保育園に通う役50名の2歳児から6歳児まで子ども達を対象に文房具(ノート500冊、鉛筆 400本)、おもちゃ (3セット)、制作等に使うクレヨンや色紙(50パック)、手洗いソープ(20本)、おむつ(25枚入り10パック)等を提供しました。後日MITRA Samaj のスタッフに届けてもらいましたが、子ども達は大変喜んで遊んでいたそうです。


4)地震で親を亡くした子ども達が住むこどもの家への支援(食材等)

何らかの理由で親を亡くした子ども達を家庭的な環境で育てる事を目的に一人の個人が始めた養護施設へ食料品を提供しました。約15名の子どもがいるこの施設では今回の地震で親を亡くした子どもも数名いるそうです。

地震や災害等で親を亡くし、行き場のない子ども達に少しでも“普通”の生活に戻してあげたいという強い願望を持ってこの施設を始めたと聞きました。子ども達を救いたい気持ちは強いものの、さほど費用がない個人を始めとする数名が立ち上げた施

設なので、子ども達が生活していく生活品や食料品等すべての物が不足しているそうです。子ども達が普通の家庭と同じような生活ができるよう、色々なところに支援を呼びかけて子供達に様々な日用品などを寄付して頂いているそうです。その話を伺い子ども達に何らかのサポートをしたいと思い、MITRA Samaj のスタッフに施設を訪問してもらい子ども達の為に一所懸命やっている施設であると確認をした上に、支援をすることを決め、知人を通じてこの施設に食料品を提供してもらいました。


先日16名の子ども達が約一ヶ月間生活できる食料品を提供しました。

                   当時燃料不足の為、車の使用できず自転車で物資を運んでとどけて頂きました。

【支援した食料品】

􀁸 米 300㎏

􀁸 豆 50㎏

􀁸 スナックとして食べる、焼いてつぶした米(Bitten Rice) 50㎏

􀁸 クッキングオイル 30ℓ

􀁸 食塩 20㎏

􀁸 砂糖 25㎏

􀁸 ビスケット(12個入り) 30箱


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